セミナー「依存症」支援の現状と課題
この「依存症」とカッコつきでの表記に意味があるのだそうです。
午前中は西村先生の講演。午後は3人のシンポジウムとパネルディスカッションでした。沖縄の西村先生、ワンデーポートの中村さん、三重ダルクの市川さん、浦和まはろ相談室の高澤さんら。この新しい潮流を何と呼んだらいいのでしょうか。
構造主義(structuralism)というのは元は言語学の方法論でした。それが、現代思想として転用されあらゆる領域に広がっていきました。表層にある現象ではなく、潜在する構造を解き明かすことによって体系を把握あるいは操作しようという立場です。
古典的な「依存症」へのアプローチは、アディクションの「酒を飲み過ぎる」とか「ギャンブルに耽溺する」という表層の事象を捉え、その原因を単一の疾病概念に求め、治療も全員に共通するやり方があっていいはずだという考えでした。
それに対して、同じアディクションに見えても、いわゆるアディクションタイプの他に、発達障害、知的障害、精神障害、キャパシティの小ささ、若年による経験不足など、様々な原因・背景があることを解き明かし、個々のニーズにあわせた支援を組み立てていこうとする立場が生まれてきました。それがこのセミナーの趣旨でもあります。
この新しい方法論に対して、アディクション支援における「構造主義」という言葉を使ってみるのはどうでしょう。
まあちょっと構造主義概念の濫用かもしれませんが、経済学や生物学の構造主義なんて、元の言語学の概念からはかなり離れた概念に対して構造主義の言葉を使っていることだし、いいじゃないですか^^;

帰りのバスの中でお弁当。
5/13 13:02, 18:58