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ソースカツ丼(「底つき」について)
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東京から帰った翌日の日曜日は、AAの病院メッセージの輪番に当たっていたので、AA仲間の車に乗せてもらって数十キロ先の病院へ。途中、名物のソースカツ丼を頂きました。

病院で数年ぶりにある女性に再会しました。言わずもがなの入院中。

彼女の口から、ある仲間の死を聞かされました。その彼は、僕が初めてAAグループをスタートさせたとき、初めてその会場につながったメンバーでした。近くの精神病院に熱心なケースワーカーさんがいて、4人の患者を(ほぼ強制的に)AAミーティングに送り込んできました。彼はその一人でした。

彼はその後AAとつかず離れずでしたが、しばらく顔を見ないでいると入院していると言う噂が流れてくる、分かりやすいパターンでした。

ある時、前述の女性が彼からの伝言を預かってきました。二人とも入院中だったのですが、彼のほうは外出不可だというのです。なんでもその時は、酔って警官を殴ってしまったという話でした。逮捕されたものの不起訴となり、(精神病院への入院歴があったためでしょう)相応期間の処置入院となっていました。

ところがその入院期間中に拘禁症となってしまったのでしょう。その後、ようやく病院からAAに通い出したころには、もう以前の人格は見る影もないぐらい荒廃していました。依存症以外の病気はなかったはずですが。退院にあたって市営住宅を準備し、生活保護やら訪問看護やら手配したそうですが、ひと月ほどしか生活が維持できず、再入院となってしまいました。僕が知っていたのはここまでです。不起訴にならず懲役に行っていた方が、彼には良かったかも知れません。

今回聞いたのは、彼のその後です。その後退院し、孤独死で発見された、というだけの話でしたが、それ以上聞く必要は感じませんでした。彼は二度結婚し、それぞれ子供もあったはずですが、どうなってしまったのか。

失うことが「底つき」だなんて大きな誤解です。彼は多くを失いましたが、底つきはできず、最後には生命まで失ってしまいました。失うことや、社会的に落ちぶれることが底つきだという話を広めたヤツは誰だ? とっちめてやりたい。でも、自分もその片棒を担いだ時期もあるので、人のせいにばかりはできません。せいぜい、ひとつひとつ誤解を解く努力をするぐらいです。

11/13 12:27, 12:28
by kokoro-no-iede | 2011-12-28 18:01 | Alcoholics Anonymous
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