大人のアスペルガー症候群
佐々木正美・梅永雄二/監修
まえがき
友達ができない、仕事ができない
――その原因がアスペルガー症候群?
1 なぜうまく生きられないのか
アスペルガー症候群―よくも悪くも目立つ、三つの特性
行動特徴―会話ができているようで、できていない
行動特徴―社会性がなく、失礼な言動をする
行動特徴―想像力に乏しく、応用がきかない
どう考えるべきか―こころの病気ではなく、脳機能のかたより
どう考えるべきか―困難を放置すると、こころの問題に
2 人にあわせられない疎外感
付き合いの悩み―友達のつくり方がわからない
付き合いの悩み―誘いをうまく断れず、険悪になる
子ども時代は―少数の友達とだけ、仲がよかった
付き合いの悩み―真剣なのに、恋愛が長続きしない
どう考えるべきか―付き合いの幅を無理に広げない
どう考えるべきか―嘘をつけない素直さを大切に
集団での孤立感―人と同じようにできず、悩んでいる
集団での孤立感―余計なことを言って、浮いた存在に
子ども時代は―いじめにあい、人間関係に悩んだ
集団での孤立感―興味のないイベントは楽しめない
どう考えるべきか―ルールやマナーをマニュアルで学ぶ
どう考えるべきか―ひとリで動ける行動力をいかす
Column 友人に頼みたいこと―悪意がないことを知ってもらう
3 職場に定着できない無力感
仕事への無カ感―指示されないと、自分からは動けない
仕事への無力感―「努力がたりない」と言われてつらい
学生時代は―天才肌で、得意科目に自信があった
仕事への無力感―融通がきかず、ひんしゅくをかう
どう考えるべきか―指示があれば、期待に応えて働ける
どう考えるべきか―規則正しい行動を仕事につなげる
会話の戸惑い―人と対面する仕事は強いストレスに
会話の戸惑い―お詫びやお礼がすぐに言えない
学生時代は―言葉づかいの悪さをよく注意された
会話の戸惑い―電話の相手が怒ったわけがわからない
どう考えるべきか―失言をおそれず、正直にたずねる
どう考えるべきか―常識にとらわれない発想を力に
Column 同僚に頼みたいこと―独特の行動への理解を求める
4 誤解と非難がもたらす劣等感
誤解―家族が障害を認めないことに苦しむ
誤解―「態度が悪い」「変わり者」だと思われる
誤解―アスペルガー症候群は犯罪の原因なのか
二次障害―非難され続けて、劣等感や絶望を抱く
二次障害―うつ病や強迫性障害を発症することも
二次障害―自暴自棄になり、ひきこもり状態に
どう考えるべきか―二次障害は対応次第で防げること
Column 家族に頼みたいこと―障害にいっしょにとりくんでいく
5 支援を受けると、生活が安定する
生活支援―アスペルガー症候群を理解してもらう
生活支援―療育手帳や福祉手帳は取得できるのか
就労支援―支援センターを利用して適職をみつける
就労支援―「ジョブコーチ」を派遣してもらう
就労支援―職業能力の判定を受けて、自分を知る
図書館で借りてきた本です。
amazonのレビューに、「一部の医師や患者のエッセイにありがちな安易な希望や楽観論がない点で心地よい本」と書かれていましたが、わかる気がします。
> 知覚と言語は独立しているように思う
××語には○○を表現する言葉がない、という話をときどき読みます。
セクハラという言葉が登場する前にも、セクハラそのものはあったはずですが、言葉が登場して初めてその概念を操作可能になったわけです。
アスペの人はこの概念化が苦手だそうで、例えば何がセクハラにあたるのか、シチュエーションごとに学んでいく必要があるのだそうです。
> 伝説の人
いままで存在したAAメンバーの中で、「ミーティングに出ていない」という非難を最も多く受けたメンバーは、誰あろうビル・Wだったと言われます。他のすべてのメンバーは彼(とドクター・ボブ)を特別扱いし、ミーティングで心の中を打ち明けることなど、彼には許されなかったのですから、やむを得なかったのでしょう。